経験を積み上げてゆけ
mark_ラウンド長財布06
Detail
素上げの魅力
このラウンド長財布には「ペコスロウ」という革が使用されている。革が本来持っている多様な魅力を一切隠すことなく作られた稀有な存在で、特筆すべきはそのタッチ感と激しい経年変化。Alt81の扱う革の中でも変化のスピードが断然早い。シワやチスジと呼ばれる独特な表情も見られ、「革らしさ」を体現したような革だ。
色名への違和感
ラウンド長財布の説明に入る前に色の案内をさせていただきたい。今回、ご用意した色は「ブラック」と店舗限定での取り扱いとなる「ブラウン」の2色。使用前のブラックは灰色に近い色味で、ところどころ白みがかかり灰色に見える。これは革に含まれているオイルが表面に現れているためで、ブラウンも同様に少し白さがある。革の表面にある表情は通常であれば仕上げ加工で隠れてしまう模様も、はっきりと見える。「ブラウン」が店舗限定になっている理由も、あまりにもその表情に個性があるためだ。では、この色がその後も続いていくかというとそうではない。約半年もすると、色は大きく変化する。
色が深化する
使用開始から6ヶ月も経過すると「ブラック」からは灰色っぽさが完全になくなり、艶があがり黒檀の様相を帯びる。「ブラウン」は使用前の色が薄いため、毛穴の跡や染まりムラがはっきりと見えたが、使用後は色が濃く変化し見違える。どちらも「色が深く変化する」ため、これを私たちは「色が深化する」と呼んでいる。
圧倒的な収納力
ラウンド長財布の魅力はなんといってもその収納力だろう。用意されているカード収納段は12段、紙幣を入れられるポケットは3カ所もある。さらにカード段の裏にはベタマチ作りのポケットが2カ所あり、用途の説明に困るほど。人によって財布に収めたいものは領収書や御守り、銀行の通帳やパスポートなど多種多様。収納力のあるこのラウンド長財布を鞄に入れておくと、あたかもバックインバックのような存在感があるのはそのためだ。
小銭入れの設計
小銭入れは片側にマチがついており、開いた時に非常に中が見渡しやすい。また、小銭入れの奥にはわかりにくいが小さな曲線が生まれるようにステッチをかけている。これは小銭が奥に挟まることを防ぐひと手間で、普通に使っているだけではなかなか気が付かないだろう。それぞれが少しでも使い勝手を良くしたいという考え方に基づいており、実に日本らしい。
小銭入れの引き手が大きな訳
小銭入れの引き手は少し大きめに設計されている。実は小銭入れの引き手が小さいと移動中に財布の中で動いてしまう。これが外ファスナーを開ける際に変にひっかかり、破損に繋がりやすい。そのためにAlt81では通常よりあえて大きめに設計。閉める際に内側に仕舞うクセを付ける必要はあるが、小さな引き手と比べると使いやすさと壊れにくさは明らかに違う。何よりも高級感がある。
■小銭入れの引き手を閉める際は内側に仕舞うクセを。
言葉が必要のない存在感
経年変化をしたmark_ラウンド長財布06の存在感たるや誰が見ても明らか(左から「未使用品のブラック」「6ヶ月使用のブラック」「6ヶ月使用のブラウン」)。
内装の耐久性
内装には耐久性の必要なところには革を、柔軟性が必要なところには生地を使用したコンビ仕様。この生地はスエード調の素材で、汚れが付きにくく擦れにも強い。一般的に財布にはあまり使われないが、Alt81ではその利点から内装の多くにこの起毛素材を使っている。また、12段あるカード段もこの生地を「ヘリ返し」と呼ばれる手法で内側に折り、上からステッチをかけることで、ノビやキレを防ぐ念の入れよう。起毛の生地は純粋に触っていて気持ちがよく、カードが取り出しやすいので今後も変わらないAlt81だからこその仕様だ。
使いやすい1枚生地仕立て
札ポケットの中にも一工夫ある。実はこのラウンド長財布、札ポケットの底をすっきりと見やすく、また紙幣等の出し入れをする際のひっかかりも少なくするために生地一枚で仕立てている。入れていた領収書がなくなる、といったトラブルもこのラウンド長財布にはないのだ。
丈夫で美しい蛇腹
財布を開いた時に見えるマチの蛇腹は通常、革を複数枚、繋ぎ合わせて作ることが多いが贅沢に一枚革で仕立てた。型紙は複雑になるが、出来上がったマチは見た目がすっきりと綺麗に見える。また、蛇腹にも「へり返し」を行った上にしっかりとミシンをかけているので、紙幣や手がよく触れる箇所だけに長く使っていくとその効果を実感できるだろう。見えにくいところにもこだわるAlt81ならではのポイントだ。
手間の結晶
毎日使う財布のファスナーだからこそスムーズな使い心地が必要。このラウンド長財布に採用されているYKK社の「エクセラファスナー」は噛み合うひとつひとつの金具「務歯(むし)」を磨き削るひと手間を加えている。また、5番と呼ばれるしっかりとした太めのファスナーを採用していることも挙げておきたい。壊れにくさを少しでも上げる、熟考の上の選択だ。
曲線の美学は角度に現れる
デザインと機能を融合させることはデザイナーの本懐だ。Alt81のラウンド長財布の角の曲線部分は非常に滑らかなカーブが描かれているのだが、実はこれは壊れやすい原因から逆算した設計。ファスナーの引手を引っ張る力、これをカーブを緩くすることによって逃している。この角に様々な負荷がかかることを考慮し、少しでも壊れにくく、そして見た目の美しさも取り入れたデザインとなっている。
見た目を引き締める、ネン引き
表革には全体をピリッと引き締めるため、「ネン」が引かれている。「ネン」とは革の縁の施される技法のことで、様々な引き方があるが、よりくっきりと見せるためには熱したコテを使い、焼き印のように入れていく。このネンがあるのとないのとでは、機能的な違いはないが、見た目に違いが出てくる。特にカチッとした印象を持たせたいデザインにはネン引きは必須で、その有無によって商品の印象が変わる。
糸処理のひと手間
※こちらの画像は別商品の「糊止め」をしている画像です。
通常、糸処理は縫製した後に糸を短く切り軽く熱処理をするだけの場合が多い。だがAlt81ではミシンで縫製した後、糸にわざわざ糊を付け針穴に挿し込む「糊止め」を施している。手間はかかるが見た目に美しく、長く使う中で使用中の糸ほつれが起こりにくい作りになっている。
Leather
表情の違いを愉しむ
肩の部位のみを使用しているペコスロウには「トラ」や「チスジ」「ピンポール」など革特有の個性がある。当然、商品にするとその個性は個体差となって、商品1点1点の違いに繋がるが、この革は硬さと柔らかさが同居したような不思議な質感の革なので、使い込んでいくと次第に個性も溶け込んでいき、少しずつ目立たなくなる。実際にどんな表情があるかはその都度変わってくるため、気になる方は「表情選択サービス」を利用して、革の模様のリクエストをしてほしい。
Size
■ サイズ(外寸)
縦: 約100㎜
横: 約195㎜
マチ:約25㎜
■ 重量
約210g
■ スペック
ファスナー小銭入れ×1
カードポケット×12
マチ付きポケット×3
マチなしポケット×2
■ 素材
革/ペコスロウ
内装生地/ボンセーヌ
内装革/牛革(ヘビタンなめし)
ファスナー/エクセラ
「経験を積み上げてゆけ」
mark_ラウンド長財布06
色名への違和感
ラウンド長財布の説明に入る前に色の案内をさせていただきたい。今回、ご用意した色は「ブラック」と店舗限定での取り扱いとなる「ブラウン」の2色。使用前のブラックは灰色に近い色味で、ところどころ白みがかかり灰色に見える。これは革に含まれているオイルが表面に現れているためで、ブラウンも同様に少し白さがある。革の表面にある表情は通常であれば仕上げ加工で隠れてしまう模様も、はっきりと見える。「ブラウン」が店舗限定になっている理由も、あまりにもその表情に個性があるためだ。では、この色がその後も続いていくかというとそうではない。約半年もすると、色は大きく変化する。
色が深化する
使用開始から6ヶ月も経過すると「ブラック」からは灰色っぽさが完全になくなり、艶があがり黒檀の様相を帯びる。「ブラウン」は使用前の色が薄いため、毛穴の跡や染まりムラがはっきりと見えたが、使用後は色が濃く変化し見違える。どちらも「色が深く変化する」ため、これを私たちは「色が深化する」と呼んでいる。
圧倒的な収納力
ラウンド長財布の魅力はなんといってもその収納力だろう。用意されているカード収納段は12段、紙幣を入れられるポケットは3カ所もある。さらにカード段の裏にはベタマチ作りのポケットが2カ所あり、用途の説明に困るほど。人によって財布に収めたいものは領収書や御守り、銀行の通帳やパスポートなど多種多様。収納力のあるこのラウンド長財布を鞄に入れておくと、あたかもバックインバックのような存在感があるのはそのためだ。
小銭入れの設計
小銭入れは片側にマチがついており、開いた時に非常に中が見渡しやすい。また、小銭入れの奥にはわかりにくいが小さな曲線が生まれるようにステッチをかけている。これは小銭が奥に挟まることを防ぐひと手間で、普通に使っているだけではなかなか気が付かないだろう。それぞれが少しでも使い勝手を良くしたいという考え方に基づいており、実に日本らしい。
小銭入れの引き手が大きな訳
小銭入れの引き手は少し大きめに設計されている。実は小銭入れの引き手が小さいと移動中に財布の中で動いてしまう。これが外ファスナーを開ける際に変にひっかかり、破損に繋がりやすい。そのためにAlt81では通常よりあえて大きめに設計。閉める際に内側に仕舞うクセを付ける必要はあるが、小さな引き手と比べると使いやすさと壊れにくさは明らかに違う。何よりも高級感がある。
■小銭入れの引き手は、閉める際に仕舞うクセを。
言葉が必要のない存在感
経年変化をしたmark_ラウンド長財布06の存在感たるや誰が見ても明らか(左から「未使用品のブラック」「6ヶ月使用のブラック」「6ヶ月使用のブラウン」)。
内装の耐久性
内装には耐久性の必要なところには革を、柔軟性が必要なところには生地を使用したコンビ仕様。この生地はスエード調の素材で、汚れが付きにくく擦れにも強い。一般的に財布にはあまり使われないが、Alt81ではその利点から内装の多くにこの起毛素材を使っている。また、12段あるカード段もこの生地を「ヘリ返し」と呼ばれる手法で内側に折り、上からステッチをかけることで、ノビやキレを防ぐ念の入れよう。起毛の生地は純粋に触っていて気持ちがよく、カードが取り出しやすいので今後も変わらないAlt81だからこその仕様だ。
使いやすい1枚生地仕立て
札ポケットの中にも一工夫ある。実はこのラウンド長財布、札ポケットの底をすっきりと見やすく、また紙幣等の出し入れをする際のひっかかりも少なくするために生地一枚で仕立てている。入れていた領収書がなくなる、といったトラブルもこのラウンド長財布にはないのだ。
丈夫で美しい蛇腹
財布を開いた時に見えるマチの蛇腹は通常、革を複数枚、繋ぎ合わせて作ることが多いが贅沢に一枚革で仕立てた。型紙は複雑になるが、出来上がったマチは見た目がすっきりと綺麗に見える。また、蛇腹にも「へり返し」を行った上にしっかりとミシンをかけているので、紙幣や手がよく触れる箇所だけに長く使っていくとその効果を実感できるだろう。見えにくいところにもこだわるAlt81ならではのポイントだ。
手間の結晶
毎日使う財布のファスナーだからこそスムーズな使い心地が必要。このラウンド長財布に採用されているYKK社の「エクセラファスナー」は噛み合うひとつひとつの金具「務歯(むし)」を磨き削るひと手間を加えている。また、5番と呼ばれるしっかりとした太めのファスナーを採用していることも挙げておきたい。壊れにくさを少しでも上げる、熟考の上の選択だ。
曲線の美学は角度に現れる
デザインと機能を融合させることはデザイナーの本懐だ。Alt81のラウンド長財布の角の曲線部分は非常に滑らかなカーブが描かれているのだが、実はこれは壊れやすい原因から逆算した設計。ファスナーの引手を引っ張る力、これをカーブを緩くすることによって逃している。この角に様々な負荷がかかることを考慮し、少しでも壊れにくく、そして見た目の美しさも取り入れたデザインとなっている。
見た目を引き締める、ネン引き
表革には全体をピリッと引き締めるため、「ネン」が引かれている。「ネン」とは革の縁の施される技法のことで、様々な引き方があるが、よりくっきりと見せるためには熱したコテを使い、焼き印のように入れていく。このネンがあるのとないのとでは、機能的な違いはないが、見た目に違いが出てくる。特にカチッとした印象を持たせたいデザインにはネン引きは必須で、その有無によって商品の印象が変わる。
糸処理にもこだわりが宿る
通常、糸処理は縫製した後に糸を短く切り軽く熱処理をするだけの場合が多い。だがAlt81ではミシンで縫製した後、糸にわざわざ糊を付け針穴に挿し込む「糊止め」を施している。手間はかかるが見た目に美しく、長く使う中で使用中の糸ほつれが起こりにくい作りになっている。
※こちらの画像は別商品の「糊止め」をしている画像です。
■ サイズ(外寸)
縦: 約100㎜
横: 約195㎜
マチ:約25㎜
■ 重量
約210g
■ スペック
ファスナー小銭入れ×1
カードポケット×12
マチ付きポケット×3
マチなしポケット×2
■ 素材
革/ペコスロウ
内装生地/ボンセーヌ
内装革/牛革(ヘビタンなめし)
ファスナー/エクセラ
mark_ラウンド長財布06
- 価格
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¥ 34,000 (税込)
- 商品コード
-
108150188
- 備考