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店舗連動型の新企画をはじめます

蔵前店でお客様にご要望をお伺いしていると「カジュアルで使える商品も出して欲しい」「女性向けの商品も欲しい」といった声を最も多くいただきます。ですが、男性向けビジネスアイテムを軸に商品を拡充しているため、そのリクエストにお応えすることができておりません。そこでAlt81を気に入っていただけたお客様であればきっと気に入っていただけるだろうと思う他のブランドさんの商品をご紹介する企画を始めることにしました。

ここで紹介した製品はAlt81 Web Shopでは購入することはできませんが、蔵前店では期間限定で取扱いを行います。もしよろしければこれをきっかけに色々なブランドさんを知り、触れてみてください。雑誌やテレビではあまり見かけることのない、そんな隠れた逸品をご紹介いたします。

第一回:株式会社 猪瀬  逸品 / Flathority Caucasus Ruck S

『どこにも真似の出来ない製品を生み出したい』

東京都葛飾区に鞄製造の工房を構えて65年が経つ株式会社猪瀬さんは主力のOEM事業とは別に10年以上前からオリジナルブランド「Flathority」に取り組んでいます。「どこにも真似の出来ない製品を生み出したい」との思いから始めたFlathority。その商品の中にとても気になる商品があります。見るだけでなく、触れることで不思議と引き込まれていくリュック「Caucasus Ruck S」。革のリュックとは思えないくらい軽く、そしてしなやか。これはキップという子牛の革を使っているからだと思うのですが、華奢な印象は微塵もありません。むしろ、しっかりとした作りには安心感すら漂っています。その魅力の根源、細部にわたるこだわりを今回、直接お伺いしました。

― Caucasus Ruck Sの作りについて ―
「職人の勘、感覚が頼りな部分が多々ある」

― まず、初めにこの形。革のリュックというと少し角ばったものが多いのですがこのリュックは流線形ですよね。その秘密を教えてください。

猪瀬さん(以下敬称略):立体裁断で作っていることが大きな理由の1つだね。通常、鞄はデザイナーが絵を描いて、そこから図面を引いて型紙を作るけど、立体裁断っていうのは実物に近い形を先に作ってそこに型紙を当てながら型を取っていく。

― マネキンのリュック版みたいな形?

猪瀬:そうそう。実際の形に合わせて型を取ってるからこういう形ができるんだよ。

― 革が凄く柔らかいので縫製も難しいのでは?

猪瀬:そうだね。革が柔らかいと何かと縫いにくい。それ以外にもこの革は大漉きをかけてないのでトコ(革の裏)がフワフワしてるからミシンが進まない。あと、革がつれちゃったり。だから職人さんも色々工夫して縫ってるよ。

― 作る人を選びそうですね。

猪瀬:誰でも作れるわけじゃない。立体裁断は職人の勘、感覚が頼りな部分が多々あって、例えば革のコンディションによって革の漉き加減や撚り加減も違うから常に一定のやり方じゃできない。だから、その都度加減を変えていく。縫ってて革が余りそうならこの長さの中でミシンの送り方なんかを調整して縫わないと形が崩れちゃったりする。立体裁断の一番難しいところは、この普通に縫っているだけじゃ上手くいかない部分だね。革を寄せながら送り方もこの加減は本当に職人の勘だと思うよ。ちなみにこのリュック、量産する際もパーツの部分漉きは職人自身がやってるよ。

― え?普通、量産する際の漉きは漉き屋さんに持っていきますよね?

猪瀬:この革でこのリュックを縫う時は縫う職人じゃないとわからないことが多い。それに漉きも一律じゃなくて革の状態に応じて変えていくから、もはや縫製する職人の長年の勘に頼るしかないんだ。漉き加減も含めて製品の雰囲気になっていくからね。

※用語解説※

大漉き:革全体を均一に漉くこと。

部分漉き:裁断を行ったパーツの一部を漉くこと。型紙を元に裁断を行った後にはその後の工程の為に必ずこの作業を行う。昨今、数を作る場合は「パーツのどの部分をどれくらい漉くか」というのは事前に決まっているので漉きを専門で行う職人に依頼をする。

― Caucasus Ruck Sの素材について ―
「クローム鞣しの良さ」

― メイン素材のソフトキップは感触がいいですよね。シボも天然のものだし、見た目もいい。クローム鞣しだと思うんですが、どちらの革なんですか?

猪瀬:日本のタンナーさんにお願いして作ってもらってる。原皮は言えないけど、キップのしなやかさが引き立っててこの革のファンは多いよ。イタリアでも結構いい評価を貰ってるって聞くよ。ソフトキップは丸革(1頭分の革)だから大きなタイコに入れてカラ打ちで柔らかくして、その後に軽くバフ(研磨)をかけて表面を整える。カラ打ちもしすぎないからコシもちゃんと残ってるし、ただ柔らかいだけの革じゃないものができる。Alt81さんはクロームやってるんだっけ?

― シルキーカーフという革ですが、一度触ると虜になります。

猪瀬:タンニンの良さはわかるけど、クロームの良さをちゃんとわかってる人はまだ少ないよね。あと、クロームと顔料を同じものだと思ってる人もいる。

― 顔料とクロームは別物ですからね。

猪瀬:そこはちゃんと説明していかないとね。クロームも経年変化するし。まぁ、タンニンだから、クロームだからではなくて、やっぱりそもそも革の魅力を感じられればいいと思うし。

― 同感です。クロームは発色もいいですよね。このオリーブ色もカッコいいです。

猪瀬:でしょ?そもそも初期の頃は色が個人的な理由でオリーブとチョコの2色にしたくて。黒が定番なのはわかるからチョコを限りなく黒寄りのチョコにしてたんだ。だから色名が「チョコブラック」ってなってるんだけどね。でもやっぱりブラックのリクエストに推されて仕方なく。

― 仕方なく、黒?

猪瀬:そう。

― ちなみに個人的な理由って。。。

猪瀬:...好きな色だから。

― (笑)でも、緑系の色、いいですよね。個人的に自分も好きです。

猪瀬:だよね?

― 内装がナイロンって書いてあるんですが、このナイロン、一般的なものじゃないですよね。触り心地が全然違う。

猪瀬:よくそんなところ見てるね(笑)。でも、めちゃくちゃ鋭い。実はこのナイロン、「高密度ポリエステル」っていう医療用にも使われるような生地 なんだ。一般的な革製品に使われているものより1本1本の糸が細くて、その糸の構成数が多い。だからタッチ感は滑らかで全体的にドレープ感がでる。糸を高密度に織り上げるから肉厚の割にモチっとした質感もでる。しかもデュポンのテフロン加工も表面に行っているから耐久性の高い撥水性能もある。だから汚れもつきにくい。本来は鞄の内装に使う生地じゃなくて、服に使うみたい。

― 後でこの生地の詳細、ガッツリ教えてください。

猪瀬:これ以上の?好きだねぇ(笑)。

― Caucasus Ruck Sのデザインについて ―
「肩ベルトの秘密」

― うちの女性スタッフもこのリュックのファンなんです。男女を問わず持てるユニセックスなデザインも印象的ですよね。

猪瀬:このリュックを最初に作ったのはもう14年くらい前かな?その時は別の革で作ってたんだけど、その革の頃はカジュアルで男性向けな印象だったんだよ。でも1年も経たずに革が手に入らなくなっちゃって、で、今のソフトキップに革を変えたんだ。そしたら高級感も出て、雰囲気もガラリと変わった。やっぱり革の力が大きいよね。余談だけど最初はこのリュック、Lサイズだけの展開だったんだけど、販売の現場から女性からの要望も出てきて、それでこのSサイズを作ったんだよ。

― 肩ベルトの形がストレートじゃないですよね。ここにも何かこだわりが?

猪瀬:長く背負ってもらえるように肩に負担がかからないようにしてる。フィット感があるでしょ?幅もしっかりあるし。この肩ベルトはLサイズを作っている時に自分が撫肩だから、そんな自分でもちゃんと背負えるように何度もデザインしなおして作ったんだよ。だから割とどんな体形の人にも楽に背負ってもらえる思う。背当てにはメッシュ素材を使ってて、その下にもスポンジを入れてるから背中にも優しい。まあ、Sサイズは荷物を入れてもそれほど重くはならないと思うけど、折角Lサイズで背負いやすい肩ベルトを作ったから、そのままSサイズにも採用したかったんだけど。

― SサイズのリュックにLサイズの肩ベルトは合わない(笑)

猪瀬:まあそうだよね。合わないよね。だからサイズに合わせて変えました。

― 背負ってみるとわかりますけど、革のリュックなのにめちゃくちゃ軽い。8番の金属ファスナーを使ってるのに。

猪瀬:革が肉厚なのに軽いからね。ちなみに品番(このリュックの品番は「FF-209」)にある、”FF”のFはフェザーのFだから。もう1つのFはフラソリティのF。

― 軽さが伝わってきます。あと、あまり見たことのないファスナースライダーを使ってますね。

猪瀬:そう?これはYKKさんのだよ。ZAだから横に倒したままだとファスナーが開けにくい仕様になってる。引手を起こして引くと開きやすいよ。リュックだからこっちの方がちょっと安心できるでしょ。そういえば、このスライダー、発注してから凄く時間がかかるからひょっとしたらカタログに載ってないかもね。

― 株式会社猪瀬が考える ―
「いい仕事とは?」

― もっとお話をお伺いしたいのですが長くなるとwebページに掲載できなくなるので、最後の質問をさせていただきます。Alt81のブランドコンセプトが「いい仕事をする人には、いい仕事をした物を持ってほしい」なのですが、猪瀬さんにとっての「いい仕事」とはどんな仕事ですか?

猪瀬:いい仕事かどうかはわからないけど、自分たちの仕事って一人で完結することがないじゃない?リレーでつないでいくっていうか、バトンタッチをしてお客様のところまで物を届ける。だから仕事でいつも意識してるのは、自分に与えられた仕事を終えて次の人に渡すときに、その人のためにもう1つ、やりやすい状況だとか気を使って仕事を繋げていく。それを続けていくと、それがいい仕事になるんじゃないかな。指示されたこと、言われたことだけやってるとずっと変わらないっていうかさ。自分たちだと、一番川上にいる職人さんがまずそういう仕事をしてくれるんだよね。「こうした方がものがもっと良くなるんじゃないか」って。その気持ちって、嬉しいし、自分たちも「ひと手間、一工夫して渡して、よりよい物にしていかなきゃ」って考え方になる。終わりはないよね、いい仕事に。

今回インタビューさせていただいた株式会社猪瀬のブランドの詳細はこちら



フラソリティ
http://www.flathority.com/

― 店舗特別販売のお知らせ ―

今回、インタビューで取り上げたFlathorityの商品『コーカサスリュックS』を、Alt81の蔵前店にて期間限定で展示・販売いたします。ぜひこの機会にご来店くださいませ。

販売期間:2017年4月8日(土)~2017年6月30日(金)
場所:Alt81 蔵前店

[店舗案内]http://alt81.com/contents/3392/

※今回の店舗特別販売では「ブラック」「チョコブラック」「オリーブ」の3色をご用意しております。


商品について詳しくはFlathorityのサイトのこちらにもご案内されています。
・Flathority キップレザー(コーカサスリュックS)
http://www.flathority.com/products/ff-209/

店舗連動型の新企画をはじめます

蔵前店でお客様にご要望をお伺いしていると「カジュアルで使える商品も出して欲しい」「女性向けの商品も欲しい」といった声を最も多くいただきます。ですが、男性向けビジネスアイテムを軸に商品を拡充しているため、そのリクエストにお応えすることができておりません。そこでAlt81を気に入っていただけたお客様であればきっと気に入っていただけるだろうと思う他のブランドさんの商品をご紹介する企画を始めることにしました。

ここで紹介した製品はAlt81 Web Shopでは購入することはできませんが、蔵前店では期間限定で取扱いを行います。もしよろしければこれをきっかけに色々なブランドさんを知り、触れてみてください。雑誌やテレビではあまり見かけることのない、そんな隠れた逸品をご紹介いたします。

第一回:株式会社 猪瀬
逸品 / Flathority Caucasus Ruck S

『どこにも真似の出来ない製品を生み出したい』

東京都葛飾区に鞄製造の工房を構えて65年が経つ株式会社猪瀬さんは主力のOEM事業とは別に10年以上前からオリジナルブランド「Flathority」に取り組んでいます。「どこにも真似の出来ない製品を生み出したい」との思いから始めたFlathority。その商品の中にとても気になる商品があります。見るだけでなく、触れることで不思議と引き込まれていくリュック「Caucasus Ruck S」。革のリュックとは思えないくらい軽く、そしてしなやか。これはキップという子牛の革を使っているからだと思うのですが、華奢な印象は微塵もありません。むしろ、しっかりとした作りには安心感すら漂っています。その魅力の根源、細部にわたるこだわりを今回、直接お伺いしました。

― Caucasus Ruck Sの作りについて ―
「職人の勘、感覚が頼りな部分が多々ある」

― まず、初めにこの形。革のリュックというと少し角ばったものが多いのですがこのリュックは流線形ですよね。その秘密を教えてください。

猪瀬さん(以下敬称略):
立体裁断で作っていることが大きな理由の1つだね。通常、鞄はデザイナーが絵を描いて、そこから図面を引いて型紙を作るけど、立体裁断っていうのは実物に近い形を先に作ってそこに型紙を当てながら型を取っていく。


― マネキンのリュック版みたいな形?

猪瀬:
そうそう。実際の形に合わせて型を取ってるからこういう形ができるんだよ。

― 革が凄く柔らかいので縫製も難しいのでは?

猪瀬:
そうだね。革が柔らかいと何かと縫いにくい。それ以外にもこの革は大漉きをかけてないのでトコ(革の裏)がフワフワしてるからミシンが進まない。あと、革がつれちゃったり。だから職人さんも色々工夫して縫ってるよ。

― 作る人を選びそうですね。

猪瀬:
誰でも作れるわけじゃない。立体裁断は職人の勘、感覚が頼りな部分が多々あって、例えば革のコンディションによって革の漉き加減や撚り加減も違うから常に一定のやり方じゃできない。だから、その都度加減を変えていく。縫ってて革が余りそうならこの長さの中でミシンの送り方なんかを調整して縫わないと形が崩れちゃったりする。立体裁断の一番難しいところは、この普通に縫っているだけじゃ上手くいかない部分だね。革を寄せながら送り方もこの加減は本当に職人の勘だと思うよ。ちなみにこのリュック、量産する際もパーツの部分漉きは職人自身がやってるよ。

― え?普通、量産する際の漉きは漉き屋さんに持っていきますよね?

猪瀬:
この革でこのリュックを縫う時は縫う職人じゃないとわからないことが多い。それに漉きも一律じゃなくて革の状態に応じて変えていくから、もはや縫製する職人の長年の勘に頼るしかないんだ。漉き加減も含めて製品の雰囲気になっていくからね。

※用語解説※

大漉き:革全体を均一に漉くこと。

部分漉き:裁断を行ったパーツの一部を漉くこと。型紙を元に裁断を行った後にはその後の工程の為に必ずこの作業を行う。昨今、数を作る場合は「パーツのどの部分をどれくらい漉くか」というのは事前に決まっているので漉きを専門で行う職人に依頼をする。

― Caucasus Ruck Sの素材について ―
「クローム鞣しの良さ」

― メイン素材のソフトキップは感触がいいですよね。シボも天然のものだし、見た目もいい。クローム鞣しだと思うんですが、どちらの革なんですか?

猪瀬さん:
日本のタンナーさんにお願いして作ってもらってる。原皮は言えないけど、キップのしなやかさが引き立っててこの革のファンは多いよ。イタリアでも結構いい評価を貰ってるって聞くよ。ソフトキップは丸革(1頭分の革)だから大きなタイコに入れてカラ打ちで柔らかくして、その後に軽くバフ(研磨)をかけて表面を整える。カラ打ちもしすぎないからコシもちゃんと残ってるし、ただ柔らかいだけの革じゃないものができる。Alt81さんはクロームやってるんだっけ?

― はい、シルキーカーフという革ですが、一度触ると虜になります。

猪瀬:
タンニンの良さはわかるけど、クロームの良さをちゃんとわかってる人はまだ少ないよね。あと、クロームと顔料を同じものだと思ってる人もいる。

― 顔料とクロームは別物ですからね。

猪瀬:
そこはちゃんと説明していかないとね。クロームも経年変化するし。まぁ、タンニンだから、クロームだからではなくて、やっぱりそもそも革の魅力を感じられればいいと思うし。

― 同感です。クロームは発色もいいですよね。このオリーブ色もカッコいいです。

猪瀬:
でしょ?そもそも初期の頃は色が個人的な理由でオリーブとチョコの2色にしたくて。黒が定番なのはわかるからチョコを限りなく黒寄りのチョコにしてたんだ。だから色名が「チョコブラック」ってなってるんだけどね。でもやっぱりブラックのリクエストに推されて仕方なく。

― 仕方なく、黒?

猪瀬:
そう。

― ちなみに個人的な理由って。。。

猪瀬:
...好きな色だから。

― (笑)でも、緑系の色、いいですよね。個人的に自分も好きです。

猪瀬:
だよね?

― 内装がナイロンって書いてあるんですが、このナイロン、一般的なものじゃないですよね。触り心地が全然違う。

猪瀬:
よくそんなところ見てるね(笑)。でも、めちゃくちゃ鋭い。実はこのナイロン、「高密度ポリエステル」っていう医療用にも使われるような生地 なんだ。一般的な革製品に使われているものより1本1本の糸が細くて、その糸の構成数が多い。だからタッチ感は滑らかで全体的にドレープ感がでる。糸を高密度に織り上げるから肉厚の割にモチっとした質感もでる。しかもデュポンのテフロン加工も表面に行っているから耐久性の高い撥水性能もある。だから汚れもつきにくい。本来は鞄の内装に使う生地じゃなくて、服に使うみたい。



― 後でこの生地の詳細、ガッツリ教えてください。

猪瀬:
これ以上の?好きだねぇ(笑)。

― Caucasus Ruck Sのデザインについて ―
「肩ベルトの秘密」

― うちの女性スタッフもこのリュックのファンなんです。男女を問わず持てるユニセックスなデザインも印象的ですよね。

猪瀬さん:
このリュックを最初に作ったのはもう14年くらい前かな?その時は別の革で作ってたんだけど、その革の頃はカジュアルで男性向けな印象だったんだよ。でも1年も経たずに革が手に入らなくなっちゃって、で、今のソフトキップに革を変えたんだ。そしたら高級感も出て、雰囲気もガラリと変わった。やっぱり革の力が大きいよね。余談だけど最初はこのリュック、Lサイズだけの展開だったんだけど、販売の現場から女性からの要望も出てきて、それでこのSサイズを作ったんだよ。



― 肩ベルトの形がストレートじゃないですよね。ここにも何かこだわりが?

猪瀬:
長く背負ってもらえるように肩に負担がかからないようにしてる。フィット感があるでしょ?幅もしっかりあるし。この肩ベルトはLサイズを作っている時に自分が撫肩だから、そんな自分でもちゃんと背負えるように何度もデザインしなおして作ったんだよ。だから割とどんな体形の人にも楽に背負ってもらえる思う。背当てにはメッシュ素材を使ってて、その下にもスポンジを入れてるから背中にも優しい。まあ、Sサイズは荷物を入れてもそれほど重くはならないと思うけど、折角Lサイズで背負いやすい肩ベルトを作ったから、そのままSサイズにも採用したかったんだけど。

― SサイズのリュックにLサイズの肩ベルトは合わない(笑)

猪瀬:
まあそうだよね。合わないよね。だからサイズに合わせて変えました。

― 背負ってみるとわかりますけど、革のリュックなのにめちゃくちゃ軽い。8番の金属ファスナーを使ってるのに。

猪瀬:
革が肉厚なのに軽いからね。ちなみに品番(このリュックの品番は「FF-209」)にある、”FF”のFはフェザーのFだから。もう1つのFはフラソリティのF。

― 軽さが伝わってきます。あと、あまり見たことのないファスナースライダーを使ってますね。

猪瀬:
そう?これはYKKさんのだよ。ZAだから横に倒したままだとファスナーが開けにくい仕様になってる。引手を起こして引くと開きやすいよ。リュックだからこっちの方がちょっと安心できるでしょ。そういえば、このスライダー、発注してから凄く時間がかかるからひょっとしたらカタログに載ってないかもね。



― 株式会社猪瀬が考える ―
「いい仕事とは?」

― もっとお話をお伺いしたいのですが長くなるとwebページに掲載できなくなるので、最後の質問に移ります。Alt81のブランドコンセプトが「いい仕事をする人には、いい仕事をした物を持ってほしい」なのですが、猪瀬さんにとっての「いい仕事」とはどんな仕事ですか?

猪瀬:
いい仕事かどうかはわからないけど、自分たちの仕事って一人で完結することがないじゃない?リレーでつないでいくっていうか、バトンタッチをしてお客様のところまで物を届ける。だから仕事でいつも意識してるのは、自分に与えられた仕事を終えて次の人に渡すときに、その人のためにもう1つ、やりやすい状況だとか気を使って仕事を繋げていく。それを続けていくと、それがいい仕事になるんじゃないかな。指示されたこと、言われたことだけやってるとずっと変わらないっていうかさ。自分たちだと、一番川上にいる職人さんがまずそういう仕事をしてくれるんだよね。「こうした方がものがもっと良くなるんじゃないか」って。その気持ちって、嬉しいし、自分たちも「ひと手間、一工夫して渡して、よりよい物にしていかなきゃ」って考え方になる。終わりはないよね、いい仕事に。





今回インタビューさせていただいた株式会社猪瀬のブランドの詳細はこちら

Flathority (フラソリティ)
http://www.flathority.com/

― 特別販売のお知らせ ―

今回、インタビューで取り上げたFlathorityの商品『コーカサスリュックS』を、Alt81の蔵前本店にて期間限定で展示・販売いたします。ぜひこの機会にご来店くださいませ。

販売期間:2017年4月8日(土)~2017年6月30日(金)
場所:Alt81 蔵前店

[店舗案内]http://alt81.com/contents/3392/

※今回の店舗特別販売では「ブラック」「チョコブラック」「オリーブ」の3色をご用意しております。


商品について詳しくはFlathorityのこちらのページでもご案内されています。
・Flathority キップレザー(コーカサスリュックS)
http://www.flathority.com/products/ff-209/