vol.1 ― 原皮 ―
「革」と一言で言ってもその種類は多岐に渡り、現在私たちの周りでも鞄や靴、衣類、家具など幅広い用途で使用されています。そもそも革というのは、動物種によって、また雄雌、年齢、育った土地、部位など様々な要素によってその風合いも特性も異なります。また動物から採った状態の「皮」を商品などに利用できる状態の「革」にするために行われる「なめし」と呼ばれる工程や加工には、原料となる動物の特徴や商品用途に要求される性質を引き立てるための工夫がなされており、その方法も様々。つまりもともとの原料となる皮(原皮)の違い、さらに革の製造方法の違いにより、完成する革は非常に多種多様なのです。そこで今回はまず、革をつくる第一歩、原材料の基となる「原皮」についてご紹介いたします。
皮革製品の原料となる皮は、哺乳類、爬虫類、両生類、鳥類、魚類などで、下の表の動物種を改めてご覧いただくと非常に幅広いことが分かります。名前を耳にする機会は多いと思いますが、じつは具体的に何の動物の皮かと問われると一致しづらいものも意外と多いのではないでしょうか?
革の原材料となる動物の皮膚を意味する言葉には、「皮」と「革」があります。まず、動物の体から剥がした生の状態を「皮」、鞄や靴などの製品へ使える状態に加工したものを「革」と呼びます。そして、「皮」を強度や柔らかさを持った「革」にするために、水分や薬品を加えるなどの様々な工程を「なめし」と言います。皮は肉と同じで放置していれば腐敗してしまうため、なめしを行うタンナーに運ぶまでに通常塩漬けや乾燥等の処理をしてある程度保存がきく状態にしておく必要があります。この状態の皮を「原皮(げんぴ)」または「原料皮(げんりょうひ)」と呼びます。
原皮はさらに二つの呼び名に分けられており、成牛皮や馬皮など25ポンド以上ある厚くて大きく重い皮を「ハイド」、子牛皮や羊皮など薄くて小さく軽い皮やまた爬虫類や魚類の皮も含めて「スキン」と呼び、それぞれ区別しています。防腐処理を施された原皮はその後、なめしを行うタンナーに運ばれ、加工が施されてようやく耐久性や柔軟性を兼ね備えた革が完成するのです。ちなみに、牛をはじめ様々な動物が革として使用されますが日本では豚以外の原皮は約8割をアメリカを中心とした諸外国から輸入しています。
なぜ原皮が重要か。それは、原皮の良し悪しは出来上がる革の質に大きく影響するからです。Alt81もお客様のイメージに見合った商品用途に最適な革を選ぶ段階で、その原皮がどんな良い特徴を持っているかを必ず確認します。なぜなら商品に相応しい素材であることはもちろん、極力素材に負荷をかけず革そのものの魅力を最大限に引き出す方法を考えて製作することが、Alt81の基本だからです。原皮というのは革の原石。原皮の奥深さを知っていただくと、実際に革をご覧になる際また一味違う愉しみを発見していただけると思います。
※下記項目:①=素材の特徴 ②=おもな用途
vol.1 ― 原皮 ―
「革」と一言で言ってもその種類は多岐に渡り、現在私たちの周りでも鞄や靴、衣類、家具など幅広い用途で使用されています。そもそも革というのは、動物種によって、また雄雌、年齢、育った土地、部位など様々な要素によってその風合いも特性も異なります。また動物から採った状態の「皮」を商品などに利用できる状態の「革」にするために行われる「なめし」と呼ばれる工程や加工には、原料となる動物の特徴や商品用途に要求される性質を引き立てるための工夫がなされており、その方法も様々。つまりもともとの原料となる皮(原皮)の違い、さらに革の製造方法の違いにより、完成する革は非常に多種多様なのです。そこで今回はまず、革をつくる第一歩、原材料の基となる「原皮」についてご紹介いたします。
皮革製品の原料となる皮は、哺乳類、爬虫類、両生類、鳥類、魚類などで、下の表の動物種を改めてご覧いただくと非常に幅広いことが分かります。名前を耳にする機会は多いと思いますが、じつは具体的に何の動物の皮かと問われると一致しづらいものも意外と多いのではないでしょうか?
革の原材料となる動物の皮膚を意味する言葉には、「皮」と「革」があります。まず、動物の体から剥がした生の状態を「皮」、鞄や靴などの製品へ使える状態に加工したものを「革」と呼びます。そして、「皮」を強度や柔らかさを持った「革」にするために、水分や薬品を加えるなどの様々な工程を「なめし」と言います。皮は肉と同じで放置していれば腐敗してしまうため、なめしを行うタンナーに運ぶまでに通常塩漬けや乾燥等の処理をしてある程度保存がきく状態にしておく必要があります。この状態の皮を「原皮(げんぴ)」または「原料皮(げんりょうひ)」と呼びます。
原皮はさらに二つの呼び名に分けられており、成牛皮や馬皮など25ポンド以上ある厚くて大きく重い皮を「ハイド」、子牛皮や羊皮など薄くて小さく軽い皮やまた爬虫類や魚類の皮も含めて「スキン」と呼び、それぞれ区別しています。防腐処理を施された原皮はその後、なめしを行うタンナーに運ばれ、加工が施されてようやく耐久性や柔軟性を兼ね備えた革が完成するのです。ちなみに、牛をはじめ様々な動物が革として使用されますが日本では豚以外の原皮は約8割をアメリカを中心とした諸外国から輸入しています。
なぜ原皮が重要か。それは、原皮の良し悪しは出来上がる革の質に大きく影響するからです。Alt81もお客様のイメージに見合った商品用途に最適な革を選ぶ段階で、その原皮がどんな良い特徴を持っているかを必ず確認します。なぜなら商品に相応しい素材であることはもちろん、極力素材に負荷をかけず革そのものの魅力を最大限に引き出す方法を考えて製作することが、Alt81の基本だからです。原皮というのは革の原石。原皮の奥深さを知っていただくと、実際に革をご覧になる際また一味違う愉しみを発見していただけると思います。
#01
Cow
(牛:カウ)
#02
Water buffalo
(水牛:
バッファロー)
#03
Horse
(馬:ホース)
#04
Sheep
(羊:シープ)
#05
Goat
(山羊:ゴート)
#06
Pig
(豚:ピッグ)
#07
Crocodile
(ワニ:クロコダイルなど)
#08
Lizard
(トカゲ:リザード)