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vol.6 ― 仕上げ ―

仕上げ工程「革に施す化粧」

なめし作業が終わると次はいよいよ「仕上げ工程」に取り掛かります。”仕上げ”は革の表面の保護、見た目、風合いなどを高めることを目的に塗装や塗膜、着色などをすることを指し、わかりやすく言うと「革の表面に化粧を施す」ことを言います。さらに”仕上げ”の前後にも色々とやるべきことがあり、一連の作業工程は感覚と理論が入り混じる複雑なものになってきます。私たちはそれら全てをまとめて「仕上げ工程」と呼んでいます。

「仕上げ工程」はメインの「仕上げ」以外にも大きく分けて「仕上げ前」「仕上げ準備」「仕上げ後」が存在します。これらの作業は原皮やなめし方にの種類によって行う順番が変わったり、行わない作業がありますがそうした違いが同じ原皮、同じなめし方を経ても風合いの異なる革を生み出すことにつながるのです。ここでは代表的な作業について説明します。

①仕上げ前 / 革にとっての初めの大きな分岐点

革に対して色を付けたり、油を加えて柔軟にしたり独特の艶を出したりする作業が「仕上げ前」の作業になります。染色をすることで革に色をつけ、油を加えることでなめし後の革の繊維が乾燥により硬くなってしまうのを防ぎ、革を柔らかくします。この作業は出来上がりの革の方向性を決める大事な作業になります。 まず革を染める作業ですが主に材料として「染料」と「顔料」が使用されており、それぞれ異なった特徴があります。 「染料」は革の繊維の奥まで入り込み”染める”方法で、浸透しやすくタッチ感や見た目の自然な風合いを損ないませんが耐水性が低く色落ちがしやすくなります。染料で染色した革は色や艶などの変化がしやすく、革らしさを存分に楽しむことができます。また、シワやトラ、キズなどの革固有の特徴も見ることができます。Alt81で採用している革は染料で染めた革ばかりですが、その理由は革の良さを見て、触って存分に感じてもらえるようにするためなのです。替わって顔料は繊維の上に塗料を塗るような形(着色)になるので鮮やかな色が出やすく、色落ちなどもしにくくなっています。ファッションとして服に密着する商品で革を利用する際には顔料で仕上げた革がよく利用されているのはこのためです。しかし、革の上に色を乗せる形になるので革の自然な表情が見えにくく、また革の表面は乗っている顔料によって自然な手触りとは異なったものになってきます。

染料と顔料の違い

「加脂」は革に油を加えて乾燥から守り柔らかくすることを目的としています。実は革は加工している間、大量の水を使い余分な成分や汚れなどを落とすために何度も洗浄と乾燥を繰り返します。ただ、革は乾燥させると繊維同士が膠着し硬くなってしまい、商品を作る際に形などが制限されてしまいます。そうしないために革に油をしみこませ、繊維に柔軟性を出し柔らかくします。「仕上げ前」工程で加えられた油は、メンテナンスで革の表面に塗るオイルよりも抜けにくいのですが、それでも商品を使い続けるうちに次第に抜けていきます。革の表面がカサカサになってきたときにオイルケアをすることをお薦めするのは、そうすることで革は柔らかさを取戻し、商品の寿命も長くなるからなのです。

②仕上げ準備 / 『仕上げ』の土台をつくる

『空打ち』の一例

「仕上げ」の前に行う作業をまとめて「仕上げ準備」といいます。この「仕上げ準備」の出来が、”仕上げ”の出来を大きく左右します。また、前述したように原皮やなめし方の違いから「仕上げ準備」の作業順番を変更したり、行わない作業があったりします。「仕上げ準備」で重要なのは「仕上げ前の下地となる革をどのような状態にしておくか」なので、そのために革に合った準備をする必要が出てくるわけです。例えば作業の一つに革に含まれた水分を飛ばし乾燥させることがありますが、その乾燥の方法も革によって違いがあります。そして、その乾燥させた革を”空打ち”(加油させないで柔らかくする方法)をして必要に応じてある程度柔らかくしたり、「仕上げ」をしやすいように表面のシボを潰して平板にしたりすることもできます。使いやすいように革の縁を裁断したり、スウェードやヌバック(起毛革)を製造する際にはサンドペーパーをかけ、床面を削るのもこの仕上げ準備にあたります。革の状態をよく見ながら注意深く、忍耐強く、丁寧にこれらの仕上げ準備作業を行うことで、革が本来持っている性質を失わせることなく、使用目的に合った革に仕上げる下地をつくることが出来るのです。

③仕上げ / 魅力的に見える化粧を施す

いよいよ仕上げ作業に取り掛かります。この仕上げはどれだけ革の風合いを残すのか、どこまで耐久性を追求するのか、革にもともとあった傷をどう目立たなくさせるかなど見た目に大きくかかわってきます。革に艶を与えて少しギラつきのある商品を作ったり、色落ちを抑えるために表面に再び塗料(顔料)を噴いたりと”革に化粧をする”意味合いがあります。見た目が美しく、また、表情豊かになる作業ではありますがその代わりにこの仕上げ作業を行うことで失われてしまうものもあります。例えば、耐久性を追求すればするほど、傷の付きにくい塗膜を塗ることになりますがその代償として本来、革が持っている風合いは失われます。これは、もともとあった傷を目立たなくさせる作業でも同じです。目立たなくさせるためには革の表面に手を加えるのですが、革らしさはやはり何もしていない状態よりも失われてしまいます。革本来の良さを最も実感してもらうためにはこういった仕上げをあまり施さない「素上げ」の状態が良いとされています。しかし、仕上げをする前とした後とでまったく違う革に見えたり、独特の表情を浮き上がらせたりと個性を強く出すことが出来ることは何よりも特筆すべき点です。「いい革」というのは人によって基準が違います。Alt81で採用している革の仕上げはお客さまに「素材の魅力を感じてもらう」ことと「長く使うことで良さを感じてもらう」ことの両軸で考えています。完成した商品を購入されるお客さまにとって、「良い革」であるようにするためにこの「仕上げ」の作業や考え方は非常に大切な工程といえます。

仕上げは方法で大きく4つに分かれており、その中でもそれぞれで細かい手法の違いがあります。当然、効果も大きく異なりますが、仕上げの可能性はこれらの仕上げ方法を組み合わせる事により更に独特な効果が生まれるところにあります。ここではそれぞれの分類での一般的な仕上げ方法を紹介します。また日々、新しい仕上げ方法が生み出されており、そのほとんどが企業秘密です。商品を見て、どういった仕上げがされているかを想像するのも革の奥深さを楽しむ方法と言えるかもしれません。

大きく4つに分かれる仕上げ方法

「塗膜の透明度」による分類


艶を出すために染料や顔料を塗膜する方法。透明度を上げると色が鮮明に出て、表情がよく見えます。


    アニリン仕上げ
  • アニリン仕上げ

  • 塗膜の透明度が最も高く、革の銀面の特徴をはっきり見えるようにした仕上げ。基本的には染料を使い、透明度の高い光沢が特徴的。
    セミアニリン(アニリン調)仕上げ
  • セミアニリン(アニリン調)仕上げ

  • 基本はアニリン仕上げと同じだが革の傷を隠したり色を均一に染めるために顔料を混ぜて使用する。
    カバリング仕上げ
  • カバリング仕上げ

  • 顔料をメインに使用し、塗膜の透明度はもっとも低い。重く、色調の鮮明度が低いベタッとした艶が出る。



「仕上げ剤」による分類


特殊な仕上げ剤を使う方法。革表面の耐久性などをあげるために使用されます。
天然系の仕上げ剤以外は分量によっては革の風合い(感触や見た目)を落とすことにつながりやすいです。


    カゼイン仕上げ
  • カゼイン仕上げ

  • 天然物系の仕上げ剤(カゼイン)や染料、ワックスを配合したものを塗布する方法。耐水性があがる。カーフなど高級な革の銀面の良さを活かすための仕上げに使われる。
    バインダー仕上げ
  • バインダー仕上げ

  • 最近よく使用される仕上げ方法で着色剤と合成樹脂などを接着させて仕上げる方法。基本的に着色剤には顔料が使われており均一に綺麗に仕上がるが革本来の見た目は失われがち。
    ラッカー仕上げ
  • ラッカー仕上げ

  • ラッカーという顔料の塗料の一種で塗装する方法。無色のものが一般的で、薄く伸ばして利用することが多い。光沢感があり、耐水性や耐摩耗などが強くなる。



「機械処理」による分類


機械を使って仕上げる方法。基本的には色々な仕上げ方法と組み合わせることで効果が発揮されます。


    グレージング仕上げ
  • グレージング仕上げ

  • メノウやガラスを使って革を磨き、摩擦熱を起こして艶や均一感を出す方法。カゼインなどを塗布した後にこの方法で仕上げると上品な艶を出すことが出来る。
    アイロン仕上げ
  • アイロン仕上げ

  • 加熱した金属板を革に当て艶を出す。パキッとした艶が出て滑るような銀面が出来上がる。



「外観・効果」による分類


どういった見た目にするか、大きく変化が加わりやすい仕上げ方法が多いです。


    エナメル仕上げ
  • エナメル仕上げ

  • 仕上げ剤にポリウレタン樹脂を使用したプラスチック感が強く出ている仕上げ方法。ポリウレタンの塗装中にチリやホコリが入ると出来上がりが汚くなるので、密閉された空間で仕上げが行われることが多いが独特の光沢を持った仕上がりは女性向けの商品に使われる。
    バニシング(バフ)仕上げ
  • バニシング(バフ)仕上げ

  • 革の表面を摩擦熱で少し焦がしたように仕上げる方法。ワイルドな表情が出来上がる。
    アドバン仕上げ
  • アドバン仕上げ

  • 色のついている革に上から濃い色を乗せ、特殊な薬品を使ったり研磨するなどして上にのっている色を落とすことによって1枚の革の中に2つの色を出す方法。上に乗った色の落とし具合によって革の印象が大きく変わる。靴によく使われている。
    アンティーク仕上げ
  • アンティーク仕上げ

  • 空打ちなどをした革に布きれ等を用いて染料やロウ、ワックスを不規則に塗りムラ感を出し、アンティーク調に仕上げる方法。
    パール仕上げ
  • パール仕上げ

  • 顔料系の仕上げ剤にパールエッセンスを加え塗装する。真珠のようなキラッとした光沢が出るのが特徴。
    メタリック仕上げ
  • メタリック仕上げ

  • 表面に金属の光沢感を出す仕上げ方法。顔料系の仕上げ剤に金属粉を混ぜて塗ったり、合成樹脂フィルムと一緒に金属粉を圧着転写するやり方などがある。
    プリント仕上げ
  • プリント仕上げ

  • さまざまな模様を革にプリントする仕上げ。転写フィルムを貼りつける方法やプリントする方法がある。
    型押し仕上げ
  • 型押し仕上げ

  • 金属板に凹凸を彫りアイロン熱を使用して押すことで模様の型をつけることが出来る。革の表面の傷などを隠す際にも利用される。

④仕上げ後 / 革に対する最後の仕事

仕上げが終わった後に、最後に防水や防汚などの加工をすることがあります。皮革製品は高級なものも多々ありますがそれらの商品に使われる革に、革の大敵である水や汚れから守るための加工を施すことで長く使い続けることが可能になります。ただし、これらの作業も「仕上げ」と同じく本来、革が持っている魅力を損なわれてしまいます。非常に悩ましい問題ではありますがこれらの革でできた商品がお客さまの満足度を満たす最良の方法だと考えて採用されていることも知っておきましょう。

vol.6 ― 仕上げ ―

仕上げ工程
「革に施す化粧」

なめし作業が終わると次はいよいよ「仕上げ工程」に取り掛かります。”仕上げ”は革の表面の保護、見た目、風合いなどを高めることを目的に塗装や塗膜、着色などをすることを指し、わかりやすく言うと「革の表面に化粧を施す」ことを言います。さらに”仕上げ”の前後にも色々とやるべきことがあり、一連の作業工程は感覚と理論が入り混じる複雑なものになってきます。私たちはそれら全てをまとめて「仕上げ工程」と呼んでいます。

「仕上げ工程」はメインの「仕上げ」以外にも大きく分けて「仕上げ前」「仕上げ準備」「仕上げ後」が存在します。これらの作業は原皮やなめし方にの種類によって行う順番が変わったり、行わない作業がありますがそうした違いが同じ原皮、同じなめし方を経ても風合いの異なる革を生み出すことにつながるのです。ここでは代表的な作業について説明します。

― ① 仕上げ前 ―

革にとっての初めの大きな分岐点

革に対して色を付けたり、油を加えて柔軟にしたり独特の艶を出したりする作業が「仕上げ前」の作業になります。染色をすることで革に色をつけ、油を加えることでなめし後の革の繊維が乾燥により硬くなってしまうのを防ぎ、革を柔らかくします。この作業は出来上がりの革の方向性を決める大事な作業になります。

まず革を染める作業ですが主に材料として「染料」と「顔料」が使用されており、それぞれ異なった特徴があります。

「染料」は革の繊維の奥まで入り込み”染める”方法で、浸透しやすくタッチ感や見た目の自然な風合いを損ないませんが耐水性が低く色落ちがしやすくなります。染料で染色した革は色や艶などの変化がしやすく、革らしさを存分に楽しむことができます。また、シワやトラ、キズなどの革固有の特徴も見ることができます。Alt81で採用している革は染料で染めた革ばかりですが、その理由は革の良さを見て、触って存分に感じてもらえるようにするためなのです。

替わって顔料は繊維の上に塗料を塗るような形(着色)になるので鮮やかな色が出やすく、色落ちなどもしにくくなっています。ファッションとして服に密着する商品で革を利用する際には顔料で仕上げた革がよく利用されているのはこのためです。しかし、革の上に色を乗せる形になるので革の自然な表情が見えにくく、また革の表面は乗っている顔料によって自然な手触りとは異なったものになってきます。

染料と顔料の違い

「加脂」は革に油を加えて乾燥から守り柔らかくすることを目的としています。実は革は加工している間、大量の水を使い余分な成分や汚れなどを落とすために何度も洗浄と乾燥を繰り返します。ただ、革は乾燥させると繊維同士が膠着し硬くなってしまい、商品を作る際に形などが制限されてしまいます。そうしないために革に油をしみこませ、繊維に柔軟性を出し柔らかくします。「仕上げ前」工程で加えられた油は、メンテナンスで革の表面に塗るオイルよりも抜けにくいのですが、それでも商品を使い続けるうちに次第に抜けていきます。革の表面がカサカサになってきたときにオイルケアをすることをお薦めするのは、そうすることで革は柔らかさを取戻し、商品の寿命も長くなるからなのです。

― ② 仕上げ準備 ―

『仕上げ』の土台をつくる

『空打ち』の一例

「仕上げ」の前に行う作業をまとめて「仕上げ準備」といいます。この「仕上げ準備」の出来が、”仕上げ”の出来を大きく左右します。また、前述したように原皮やなめし方の違いから「仕上げ準備」の作業順番を変更したり、行わない作業があったりします。「仕上げ準備」で重要なのは「仕上げ前の下地となる革をどのような状態にしておくか」なので、そのために革に合った準備をする必要が出てくるわけです。例えば作業の一つに革に含まれた水分を飛ばし乾燥させることがありますが、その乾燥の方法も革によって違いがあります。そして、その乾燥させた革を”空打ち”(加油させないで柔らかくする方法)をして必要に応じてある程度柔らかくしたり、「仕上げ」をしやすいように表面のシボを潰して平板にしたりすることもできます。使いやすいように革の縁を裁断したり、スウェードやヌバック(起毛革)を製造する際にはサンドペーパーをかけ、床面を削るのもこの仕上げ準備にあたります。

革の状態をよく見ながら注意深く、忍耐強く、丁寧にこれらの仕上げ準備作業を行うことで、革が本来持っている性質を失わせることなく、使用目的に合った革に仕上げる下地をつくることが出来るのです。

― ③ 仕上げ ―

魅力的に見える化粧を施す

いよいよ仕上げ作業に取り掛かります。この仕上げはどれだけ革の風合いを残すのか、どこまで耐久性を追求するのか、革にもともとあった傷をどう目立たなくさせるかなど見た目に大きくかかわってきます。革に艶を与えて少しギラつきのある商品を作ったり、色落ちを抑えるために表面に再び塗料(顔料)を噴いたりと”革に化粧をする”意味合いがあります。

見た目が美しく、また、表情豊かになる作業ではありますがその代わりにこの仕上げ作業を行うことで失われてしまうものもあります。例えば、耐久性を追求すればするほど、傷の付きにくい塗膜を塗ることになりますがその代償として本来、革が持っている風合いは失われます。これは、もともとあった傷を目立たなくさせる作業でも同じです。目立たなくさせるためには革の表面に手を加えるのですが、革らしさはやはり何もしていない状態よりも失われてしまいます。革本来の良さを最も実感してもらうためにはこういった仕上げをあまり施さない「素上げ」の状態が良いとされています。しかし、仕上げをする前とした後とでまったく違う革に見えたり、独特の表情を浮き上がらせたりと個性を強く出すことが出来ることは何よりも特筆すべき点です。

「いい革」というのは人によって基準が違います。Alt81で採用している革の仕上げはお客さまに「素材の魅力を感じてもらう」ことと「長く使うことで良さを感じてもらう」ことの両軸で考えています。完成した商品を購入されるお客さまにとって、「良い革」であるようにするためにこの「仕上げ」の作業や考え方は非常に大切な工程といえます。

仕上げは方法で大きく4つに分かれており、その中でもそれぞれで細かい手法の違いがあります。当然、効果も大きく異なりますが、仕上げの可能性はこれらの仕上げ方法を組み合わせる事により更に独特な効果が生まれるところにあります。ここではそれぞれの分類での一般的な仕上げ方法を紹介します。また日々、新しい仕上げ方法が生み出されており、そのほとんどが企業秘密です。商品を見て、どういった仕上げがされているかを想像するのも革の奥深さを楽しむ方法と言えるかもしれません。

大きく4つに分かれる仕上げ方法

「塗膜の透明度」による分類

艶を出すために染料や顔料を塗膜する方法。透明度を上げると色が鮮明に出て、表情がよく見えます。

  • アニリン仕上げ
  • アニリン仕上げ
  • 塗膜の透明度が最も高く、革の銀面の特徴をはっきり見えるようにした仕上げ。基本的には染料を使い、透明度の高い光沢が特徴的。
  • セミアニリン(アニリン調)仕上げ
  • セミアニリン(アニリン調)仕上げ
  • 基本はアニリン仕上げと同じだが革の傷を隠したり色を均一に染めるために顔料を混ぜて使用する。
  • カバリング仕上げ
  • カバリング仕上げ
  • 顔料をメインに使用し、塗膜の透明度はもっとも低い。重く、色調の鮮明度が低いベタッとした艶が出る。
「仕上げ剤」による分類

特殊な仕上げ剤を使う方法。革表面の耐久性などをあげるために使用されます。天然系の仕上げ剤以外は分量によっては革の風合い(感触や見た目)を落とすことにつながりやすいです。

  • カゼイン仕上げ
  • カゼイン仕上げ
  • 天然物系の仕上げ剤(カゼイン)や染料、ワックスを配合したものを塗布する方法。耐水性があがる。カーフなど高級な革の銀面の良さを活かすための仕上げに使われる。
  • バインダー仕上げ
  • バインダー仕上げ
  • 最近よく使用される仕上げ方法で着色剤と合成樹脂などを接着させて仕上げる方法。基本的に着色剤には顔料が使われており均一に綺麗に仕上がるが革本来の見た目は失われがち。
  • ラッカー仕上げ
  • ラッカー仕上げ
  • ラッカーという顔料の塗料の一種で塗装する方法。無色のものが一般的で、薄く伸ばして利用することが多い。光沢感があり、耐水性や耐摩耗などが強くなる。
「機械処理」による分類

機械を使って仕上げる方法。基本的には色々な仕上げ方法と組み合わせることで効果が発揮されます。

  • グレージング仕上げ
  • グレージング仕上げ
  • メノウやガラスを使って革を磨き、摩擦熱を起こして艶や均一感を出す方法。カゼインなどを塗布した後にこの方法で仕上げると上品な艶を出すことが出来る。
  • アイロン仕上げ
  • アイロン仕上げ
  • 加熱した金属板を革に当て艶を出す。パキッとした艶が出て滑るような銀面が出来上がる。
「外観・効果」による分類

どういった見た目にするか、大きく変化が加わりやすい仕上げ方法が多いです。

  • エナメル仕上げ
  • エナメル仕上げ
  • 仕上げ剤にポリウレタン樹脂を使用したプラスチック感が強く出ている仕上げ方法。ポリウレタンの塗装中にチリやホコリが入ると出来上がりが汚くなるので、密閉された空間で仕上げが行われることが多いが独特の光沢を持った仕上がりは女性向けの商品に使われる。
  • バニシング(バフ)仕上げ
  • バニシング(バフ)仕上げ
  • 革の表面を摩擦熱で少し焦がしたように仕上げる方法。ワイルドな表情が出来上がる。
  • アドバン仕上げ
  • アドバン仕上げ
  • 色のついている革に上から濃い色を乗せ、特殊な薬品を使ったり研磨するなどして上にのっている色を落とすことによって1枚の革の中に2つの色を出す方法。上に乗った色の落とし具合によって革の印象が大きく変わる。靴によく使われている。
  • アンティーク仕上げ
  • アンティーク仕上げ
  • 空打ちなどをした革に布きれ等を用いて染料やロウ、ワックスを不規則に塗りムラ感を出し、アンティーク調に仕上げる方法。
  • パール仕上げ
  • パール仕上げ
  • 顔料系の仕上げ剤にパールエッセンスを加え塗装する。真珠のようなキラッとした光沢が出るのが特徴。
  • メタリック仕上げ
  • メタリック仕上げ
  • 表面に金属の光沢感を出す仕上げ方法。顔料系の仕上げ剤に金属粉を混ぜて塗ったり、合成樹脂フィルムと一緒に金属粉を圧着転写するやり方などがある。
  • プリント仕上げ
  • プリント仕上げ
  • さまざまな模様を革にプリントする仕上げ。転写フィルムを貼りつける方法やプリントする方法がある。
  • 型押し仕上げ
  • 型押し仕上げ
  • 金属板に凹凸を彫りアイロン熱を使用して押すことで模様の型をつけることが出来る。革の表面の傷などを隠す際にも利用される。

― ④ 仕上げ後 ―

革に対する最後の仕事

仕上げが終わった後に、最後に防水や防汚などの加工をすることがあります。皮革製品は高級なものも多々ありますがそれらの商品に使われる革に、革の大敵である水や汚れから守るための加工を施すことで長く使い続けることが可能になります。ただし、これらの作業も「仕上げ」と同じく本来、革が持っている魅力を損なわれてしまいます。非常に悩ましい問題ではありますがこれらの革でできた商品がお客さまの満足度を満たす最良の方法だと考えて採用されていることも知っておきましょう。