輪郭を上品に仕立て上げる
第一印象でどことなく洗練された上品さが薫る、「page_ラウンド長財布01」。男性らしい角張った鋭角的フォルムと対極にある、そのしなやかな流線型を帯びた輪郭はAlt81のアイテムの中でも一際新鮮だ。理由は用いられている「くるみ玉」という作り。玉縁(たまぶち)とも呼ばれるこの作りは、江戸時代着物を着用する時に持ち歩く小物によく用いられた技法だ。当時、印伝革(鹿革に漆などで絵付けを施した革)などを使用した小物は縁にあった漆が引っかかってしまい大切な着物を傷めてしまうことがあった。それを防ぐためにコバ(革の断面)を包むように仕上げたのがこの技法と言われている。見た目にも美しく上品な仕上がりであることから、現在レディースでも多々使用されている方法だ。
では、くるみ玉がもたらす優雅で上品な印象はどこからきているのだろう。
理由は2つある。まず、その名の通り角を革でくるんだ端正な縁取り。そして通常見えるはずのステッチが見えないこと。
その作りは極めて高度な手練が不可欠だ。
まず、革を二枚重ね、上の革を縁と下の革を包み込むようにへり返した後、くるんだ立体部分の最も際に沿ってミシンを掛けて二枚を縫製する作りだ。通常は見えているはずのステッチが縁取りのエッジギリギリの箇所に施されているため、糸目が主張することなくくるみ玉がより一層引き立つというわけだ。また、端にステッチを掛けることで使用中の糸への摩擦を軽減させる役割も担っている。
さらにこの作りを可能にするために重要な条件となるのが、使用する革の特性。しなやかにへり返すことが出来る柔軟性を備えた革でなければ、当然この縁取りは作り出せない。作りは常に革の特徴と相互作用し合って成立している。逆の言い方をすれば、素材に使われている革の性質を理解していなければ設計も高度な作りを完成させることも不可能なのである。
page_ラウンド長財布01に込めた「上品な大人の余裕を持つお客様」というイメージに相応しく、かつ使用しているシルキーカーフという素材が相互に引き立てあえる作りだったため、Alt81はくるみ玉を取り入れた。輪郭を上品に仕立て上げるくるみ玉の起点にあるのは、着物を傷めないためという「物を大切にする気遣い」と、「美しい見映えを加えて補う工夫」。この日本独特の美意識もまた「目に見えない日本の文化」であると考えている。
輪郭を上品に仕立て上げる
第一印象でどことなく洗練された上品さが薫る、「page_ラウンド長財布01」。男性らしい角張った鋭角的フォルムと対極にある、そのしなやかな流線型を帯びた輪郭はAlt81のアイテムの中でも一際新鮮だ。理由は用いられている「くるみ玉」という作り。玉縁(たまぶち)とも呼ばれるこの作りは、江戸時代着物を着用する時に持ち歩く小物によく用いられた技法だ。当時、印伝革(鹿革に漆などで絵付けを施した革)などを使用した小物は縁にあった漆が引っかかってしまい大切な着物を傷めてしまうことがあった。それを防ぐためにコバ(革の断面)を包むように仕上げたのがこの技法と言われている。見た目にも美しく上品な仕上がりであることから、現在レディースでも多々使用されている方法だ。
では、くるみ玉がもたらす優雅で上品な印象はどこからきているのだろう。理由は2つある。
まず、その名の通り角を革でくるんだ端正な縁取り。そして通常見えるはずのステッチが見えないこと。その作りは極めて高度な手練が不可欠だ。
まず、革を二枚重ね、上の革を縁と下の革を包み込むようにへり返した後、くるんだ立体部分の最も際に沿ってミシンを掛けて二枚を縫製する作りだ。通常は見えているはずのステッチが縁取りのエッジギリギリの箇所に施されているため、糸目が主張することなくくるみ玉がより一層引き立つというわけだ。また、端にステッチを掛けることで使用中の糸への摩擦を軽減させる役割も担っている。
さらにこの作りを可能にするために重要な条件となるのが、使用する革の特性。しなやかにへり返すことが出来る柔軟性を備えた革でなければ、当然この縁取りは作り出せない。作りは常に革の特徴と相互作用し合って成立している。逆の言い方をすれば、素材に使われている革の性質を理解していなければ設計も高度な作りを完成させることも不可能なのである。
page_ラウンド長財布01に込めた「上品な大人の余裕を持つお客様」というイメージに相応しく、かつ使用しているシルキーカーフという素材が相互に引き立てあえる作りだったため、Alt81はくるみ玉を取り入れた。輪郭を上品に仕立て上げるくるみ玉の起点にあるのは、着物を傷めないためという「物を大切にする気遣い」と、「美しい見映えを加えて補う工夫」。この日本独特の美意識もまた「目に見えない日本の文化」であると考えている。