P(ピット)とD(ドラム)が生み出した荒々しいカーフ
P&Dバッファローカーフは実に多彩な表情を持っている。水牛を原皮としているこの革は初めから凹凸がはっきりとしていて独特なワイルドさがあるが、その同じものが二つとない革の銀面(表面)に浮かぶシボ(凹凸)によって印象は大きく変わる。シボが粗く大きいものはより激しく、また男らしく見え、シボが細かく小さいものは綺麗で繊細な雰囲気を醸し出す。(※下図)
さらにこの革は商品に仕立てられることで品の良さが際立ってくる。これは商品の形と革の銀面を覆う光沢の成せる業で、革表面のシボの凹凸により光沢感に変化が生まれワイルドさを保ちながらどこか洗練された大人の印象を与えることができている。また、カーフ(生後6カ月以内の子牛)であることも見逃せない。見た目は硬質に映るが、非常に繊細な肌目と柔軟さを持っておりグッと手で揉むと独特のコシを味わうことができる。革に触れた時に感じるこの独特な感触はP&Dバッファローカーフの存在感を稀有なものとして確立させている。
毎日使っていれば当然避けられない傷や擦れ。この革は元々シボが際立っているため傷などが目立ちにくいが、そういったものも全て呑み込んでしまうタフさが魅力だ。P&Dバッファローカーフの経年変化は擦れた箇所のシボが平らになったり、触れている部分がどんどん柔らかさを増すなどかなり多様性をもっている。また、表面にあったギラッとした光沢感は使い込むうちに徐々に落ち着きマットな質感へと変化し、最終的には革が持つ地油により以前とは異なる光沢にシフトしていく。光沢が変化するという独特な経年変化は時間をかけてゆっくりと進むため、その違いは気が付きにくいかもしれない。
原皮はインド産の水牛カーフ。東南アジアの暑い地域で育つ水牛は肉厚で非常に丈夫な革を持っており、特に肩の上あたりにある大きなシワが特徴的。野生または放牧されて育っているために傷痕やカサブタの痕などが多く見られるが、牛革と比較すると野性味溢れる独特のシボが色濃く出ておりこのシボをどう活かすかが商品を作る際の核になる。通常、牛革では革を半分に切り分けた「半裁」を使用するが、P&Dバッファローカーフは子牛の革だけあって、小さいこともあり、贅沢にも「丸革」(一頭丸ごと)を使用するため、部位による表情の違いも鮮明だ。肉厚で丈夫というワイルドさと、稀少なカーフならではの柔らかでしなやかな風合い――相反する2要素を持つ珍しい原皮がこの革のポテンシャルと言える。
この革は植物の渋・タンニンのみを使用するフルタンニンなめし(通称「フルタン」)。実はこのフルタンには2種類の鞣し方がある。1つは濃度の違うタンニン液を入れたピット槽に低濃度から高濃度の槽へ段階を追ってじっくりと漬け込む方法(通称「ピット漬け」)。もう1つがドラム(大きな樽)の中にタンニン液を入れて回転させ強制的に革に叩き込む方法(通称「タイコ」)。
通常はどちらか一方を行うが、P&Dバッファローカーフは3週間ピット漬けした後、さらにドラムで1週間なめすというかなり手の込んだ方法で仕上げられている。先に行うピット漬けで革に自然な形でタンニンを吸収させ、水牛が持つ「地油」をたっぷりと革の中に残す。その後、よりタンニンを革に浸透させるためにドラムを使用するのだ。このコンビネーションが独特のコシを持たせ、水牛カーフ特有のきめ細かいシボ感の表出を可能にさせている。さらに表面の光沢の仕上げは透明感のあるカゼイン仕上げで、大人の男性に相応しい上品さを加えられており、唯一無二の革の誕生に一役買っている。
■ 暑い地域で野生または放牧されて育つ水牛革を原皮にしているため、傷やかさぶたの痕などが革の表面に多くみられる特性があります。
■ P&Dバッファローカーフは顔料塗装を行わず、表面に水性光沢剤を使って仕上げた革なので、他の素上げの革と同様色落ちしやすい特性があります。水に濡れたり摩擦等によって革の中の染料が移行すると色移行の要因となります。ご使用中の洋服への色移行には、くれぐれもお気を付けください。
■ もともとオイルを含んでいる革なので、革内部のオイルが滲み出て油染みになる可能性があります。ご注意ください。また、最初からオイルが含まれているため、初期のオイルケアは不要です。使用しているうちに革にかさつきを感じたら行うようにしてください。
こちらの商品にも採用しております
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P&Dバッファローカーフは実に多彩な表情を持っている。水牛を原皮としているこの革は初めから凹凸がはっきりとしていて独特なワイルドさがあるが、その同じものが二つとない革の銀面(表面)に浮かぶシボ(凹凸)によって印象は大きく変わる。シボが粗く大きいものはより激しく、また男らしく見え、シボが細かく小さいものは綺麗で繊細な雰囲気を醸し出す。(※下図)
さらにこの革は商品に仕立てられることで品の良さが際立ってくる。これは商品の形と革の銀面を覆う光沢の成せる業で、革表面のシボの凹凸により光沢感に変化が生まれワイルドさを保ちながらどこか洗練された大人の印象を与えることができている。また、カーフ(生後6カ月以内の子牛)であることも見逃せない。見た目は硬質に映るが、非常に繊細な肌目と柔軟さを持っておりグッと手で揉むと独特のコシを味わうことができる。革に触れた時に感じるこの独特な感触はP&Dバッファローカーフの存在感を稀有なものとして確立させている。/p>
毎日使っていれば当然避けられない傷や擦れ。この革は元々シボが際立っているため傷などが目立ちにくいが、そういったものも全て呑み込んでしまうタフさが魅力だ。P&Dバッファローカーフの経年変化は擦れた箇所のシボが平らになったり、触れている部分がどんどん柔らかさを増すなどかなり多様性をもっている。また、表面にあったギラッとした光沢感は使い込むうちに徐々に落ち着きマットな質感へと変化し、最終的には革が持つ地油により以前とは異なる光沢にシフトしていく。光沢が変化するという独特な経年変化は時間をかけてゆっくりと進むため、その違いは気が付きにくいかもしれない。
原皮はインド産の水牛カーフ。東南アジアの暑い地域で育つ水牛は肉厚で非常に丈夫な革を持っており、特に肩の上あたりにある大きなシワが特徴的。野生または放牧されて育っているために傷痕やカサブタの痕などが多く見られるが、牛革と比較すると野性味溢れる独特のシボが色濃く出ておりこのシボをどう活かすかが商品を作る際の核になる。通常、牛革では革を半分に切り分けた「半裁」を使用するが、P&Dバッファローカーフは子牛の革だけあって、小さいこともあり、贅沢にも「丸革」(一頭丸ごと)を使用するため、部位による表情の違いも鮮明だ。肉厚で丈夫というワイルドさと、稀少なカーフならではの柔らかでしなやかな風合い――相反する2要素を持つ珍しい原皮がこの革のポテンシャルと言える。
この革は植物の渋・タンニンのみを使用するフルタンニンなめし(通称「フルタン」)。実はこのフルタンには2種類の鞣し方がある。1つは濃度の違うタンニン液を入れたピット槽に低濃度から高濃度の槽へ段階を追ってじっくりと漬け込む方法(通称「ピット漬け」)。もう1つがドラム(大きな樽)の中にタンニン液を入れて回転させ強制的に革に叩き込む方法(通称「タイコ」)。
通常はどちらか一方を行うが、P&Dバッファローカーフは3週間ピット漬けした後、さらにドラムで1週間なめすというかなり手の込んだ方法で仕上げられている。先に行うピット漬けで革に自然な形でタンニンを吸収させ、水牛が持つ「地油」をたっぷりと革の中に残す。その後、よりタンニンを革に浸透させるためにドラムを使用するのだ。このコンビネーションが独特のコシを持たせ、水牛カーフ特有のきめ細かいシボ感の表出を可能にさせている。さらに表面の光沢の仕上げは透明感のあるカゼイン仕上げで、大人の男性に相応しい上品さを加えられており、唯一無二の革の誕生に一役買っている。
■ 暑い地域で野生または放牧されて育つ水牛革を原皮にしているため、傷やかさぶたの痕などが革の表面に多くみられる特性があります。
■ P&Dバッファローカーフは顔料塗装を行わず、表面に水性光沢剤を使って仕上げた革なので、他の素上げの革と同様色落ちしやすい特性があります。水に濡れたり摩擦等によって革の中の染料が移行すると色移行の要因となります。ご使用中の洋服への色移行には、くれぐれもお気を付けください。
■ もともとオイルを含んでいる革なので、革内部のオイルが滲み出て油染みになる可能性があります。ご注意ください。また、最初からオイルが含まれているため、初期のオイルケアは不要です。使用しているうちに革にかさつきを感じたら行うようにしてください。
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